一匹の小さなネズミがおりました。 このネズミは、
毎晩、友達の老ネズミのお話を聞くのがとても好きでした。
彼の好きな話は断然、遠い国についてのお話で、彼は
このお話が大好きで、毎晩この遠い国の夢を見るほどです。
ある日、この小さなネズミは、「俺は必ずこの遠い国を
目にしてやる!」と決意を固めます。
そしてまさしくその朝、彼は旅に出ました。
彼はひたすら、一日中旅を続けます。
休むのは、食べるか飲むときだけ。
やがて、川岸へとやって来て、彼は落胆します。
「おお、俺はどうやってこの川を渡ればよいのか?」