あるとき、それはもう恐ろしい干ばつがありました。
川も泉も干上がってしまい、動物たちは飲み水を
探して歩き回りましたが、まるっきり無駄で、
どこにも水はありません。
そこで、動物たちは大集会を開きました。
ライオン、虎、狼、ジャッカル、象、みんな集まりました。
この大問題をどうすべきか、いろいろ案は出るものの、
どれも決め手に欠けるなか、しまいに彼らのひとりが
こう提案しました。
「どうだ、俺たちみんなで、干上がった川床で
ダンスを踊ってみては。 そうやって踏みつけりゃ、
水が湧き出てくるんじゃないかな。」
「そりゃあいい!」
みんなはこの案に満足して、すぐにも準備に
取り掛かりましたが、ウサギだけは違っておりました。
「俺は踊りになんか行くつもりはないね。
だいたい踊って地面から水を手に入れようなんて、
あんたら頭がどうかしたんじゃないのかね?」