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カテゴリ:インディアンの神話( 100 )

「サボテンの恋人」 ~コチティ・プエブロ族のお話~

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ウルトラマンや仮面ライダーに出てくる
あの高原竜がシャボテン植物園の入口とは
知りませんでした

白鷺は乙女の化身、高原竜ヒドラは
自動車事故で亡くなった子供たちの化身、

で、シャボテンにも何かの言い伝えが
あるかと思って調べたら、こういうのがありました

アメリカ南西部のコチティ・プエブロ族は
サボテンのことを「ナバホ娘の恋人」と
呼ぶそうです

短い言い伝えなのでちゃちゃっと
ここで紹介してみましょう

「サボテンの恋人」

恋人のいないナバホ族の娘がおりました。

この娘は毎日、山へ行きますので、
人々は、「あの娘は毎日どこへ行くんだろう」
と噂し合っておりました。

そのうちついに、一人の男が娘についていき、
山の中まで娘を追っていきました。

やがて男は娘の足跡が途絶えたところまで来て、
その近くに隠れました。

そこには何かですっかり覆われたものがあり、
男は話声を聞きましたが、すぐにそれが愛を交わし合う
恋人たちのものだとわかりました。

しまいに娘は起き上がり、自分を覆っているものを取りました。
娘の恋人はヤタパ(サボテン)だったのです。

男は村に戻り、見てきたことを人々に伝えました。

こういうわけで、コチティの人たちは
ヤタパ(サボテン)を「ナバホ娘の恋人」と呼んでいます。

「Tales of the Cochiti Indians」
(ルース・ベネジット著、昭和6年アメリカ民俗学局発行、パブリックドメイン)
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by perriere | 2014-02-13 23:07 | インディアンの神話

蚊はどのように生まれたか・トリンギット族のお話


昔のことですが、人間を取って喰い、
生き血を飲むのを好んだ巨人がおりました。
なかでも特別、人間の心臓が大好きでした。

「やつをやっつけられないなら、
わしらはこの地を出ていくしかねえ」

人間たちはこれをどうするか、会議を召集しました。

「俺にはあの化け物を殺す手があるよ」

とひとりの男が言いました。

そして、彼は巨人がつい最近現れた場所へ行きました。
そこで彼は、横になって死んだふりをしていました。

すぐと巨人はやって来て、男を見つけました。

「こいつはてっとり早えや、捕まえて殺す手間もねえ。
俺の通り道に入り込んで、俺が怖さに死んだんだな。」

巨人は男を触り、「ああ、こりゃあいい」と言いました。

「まだ温くて生きがいいや。うまい料理が出来そうだな。
こいつの心臓を焙るのが待ちきれねえや。」

巨人が男を肩に載せると、
男は頭を垂れて死んだふりを続けます。

男を家に担ぎ込むと、巨人は火のそばに彼を降ろしました。
それから薪がないのを見て、これを取りに出て行きました。

すぐさま男が起きて、怪物の巨大な皮はぎナイフを掴むと、
ちょうど巨人の息子が入口をくぐって入ってきました。

息子の方はまだ巨人より小さかったので、
男は彼の喉に大きなナイフを突きつけました。

「早いとこ言え、
おめえのおとっつぁんの心臓はどこにあるんだ?
言わねえと喉をかっ切るぞ!」

巨人の息子は怯えて言いました。

「おいらのおとっつぁんの心臓は、左の踵にあるんだよう。」

ちょうどその時、巨人の左足が入り口に現れました、
そこで男は一目散にナイフを踵にぶっ刺しました。
怪物は金切り声を上げてぶっ倒れ、死にました。

しかし、巨人はまだ喋ってみせました。

「おりゃあ死んだがよう、おめえが俺を殺したとしても、
おりゃあいつまでもこの世界で、
おめえら人間すべてを喰い続けてやらあ。」

「抜かしゃあがれ、
てめえがもう金輪際、誰も喰えねえようにしてやろう。」

男は言って、巨人の身体を細かく切って火で焼いて、
風に任せて灰を振り撒きました。

するとすぐに灰は蚊に変わり、灰霞は蚊の霞になりました。
そして、その中から、男は巨人の笑い声を聞きました。

「そうともよ、おりゃあこの世の終わりまで、
おめえらを喰ってやるつもりだぜ。」

怪物が喋っている間に、男は刺されるのを感じました。
たくさんの蚊が彼を刺し、血を吸い始めました。

そして、彼は自分自身をひっ掻き始めました。
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by perriere | 2009-08-23 00:53 | インディアンの神話

蚊はどのように生まれたか・トリンギット族のお話


冷夏のせいかどうか、今年はまったく
蚊に刺されてません。

蝉もあんまり鳴いておりませんで、
やっぱり冷夏なんですかね。

蚊というのはいると厄介者ですが、
いないのも夏らしくないですね。

アラスカ・インディアンのトリンギット族に、
蚊の話があるので紹介してみます。

人喰い巨人の話はロッキー山脈伝いに
あちこちにあるんですが、昔はそういうのも
いたんでしょうね。

日本では切り刻んだ天の邪鬼の身体から
蚊が生まれてます。よく似てますね。
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by perriere | 2009-08-23 00:39 | インディアンの神話

呪術師のお話 (アベナキ族の物語)


年取った呪術師が亡くなりましたので、
彼の家族は木の上の、枝々の間に彼を葬りました。

その後ずいぶんたった、ある冬の日のことです。

通りかかったインディアンの夫婦が、夜を過ごす
いい場所を探してこの木の下へやって来ました。

彼らは火を起こして、夕食の支度を始めました。
夕食後に妻のほうがひょいと見上げると、
なにか黒くて長いものが木の枝に
引っかかっているのに気が付きました。

彼女が「あれは何かしら?」と聞きますと、
夫は「あれはただの死体だよ、大昔のね。
もう眠ろうや」と言いました。

彼女は「いやよ、ぞっとするわ。
寝ずにいた方がいいと思うわよ」と答えましたが、
夫のほうは耳も貸さずに寝てしまいました。

それからすぐに火は消えてしまいましたが、間もなく、
なにか動物が骨をかじるような音が聞こえてきました。

彼女は全く怯えてしまい、夜通しそこに座ったままでいました。
夜明けごろにはもう我慢できなくなって、彼女は夫を起こそうと
手をのばして揺すってみましたが、夫は起きてくれません。

彼女は夫がぐっすり眠り込んでいるのだろうと考えました。
がりがりかじる音は止んでしまいました。

やがて朝日が射したとき、彼女は夫のそばに寄って、
彼が死んでいることに気付きました。

夫の身体の左側はかじりつくされていて、
心臓がありませんでした。

彼女はそこから必死に走って逃げ、
とうとう人々の住んでいる集落まで来ました。

彼女は村人たちにこの話をしたのですが、人々は彼女が
夫を殺したんだろうと思い、信じませんでした。ですが、
彼女と一緒に、その場所まで行ってみることにしました。

行ってみると、実際に彼の死体には、
心臓がありませんでした。

頭上には死んだ呪い師が、毛布に巻かれ、
木の間にきちんと横たわっています。

彼らは死体を木の上から降ろし、
ぐるぐる巻きにした毛布を開いてみました。

死体の口と顔は、真新しい血でべっとりと濡れていました。
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by perriere | 2009-08-21 23:56 | インディアンの神話

インディアンの樹上葬

先週、近所のプールへ行ったら、
日焼けで水膨れが出来てしまいました。

今年は冷夏と言われますが、残暑と言っても
日差しはきつく、蒸し暑い日が続きます。

夏と言えば納涼の怪談、ということで、
お化けの話でもしてみようかと思います。

アメリカインディアンは木の上に仏さんを
葬る部族が多かったそうで、大平原では
いたるところに木の上に毛布で巻かれた
仏さんが見られたそうです。

地面より高いところのほうが、お空におわす
大精霊により近づけるってことでしょうね。

そういう葬礼法ですと、没後の故人も
気安く現世を行き交い出来そうですね。

20世紀になりますと、白人にそういうのは
禁止されて、土の下3尺ばかりが
埋葬の場となってしまいました。

お化けになる自由も残してくれないのも
おさみしいかぎりですね。

アベナキ族というのは、大平原の部族ではなく、
北東部の森林部族です。呪術師向けの
特別な葬礼だったんでしょうか。
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by perriere | 2009-08-21 23:42 | インディアンの神話

死者の踊り ルイセノ族の伝説


カマク村の人たちは主食のドングリを集めるために、
年に一度、村ごとパロマ山へ繰り出すならわしです。

老いも若きも村人すべて、病人も担架に乗せて、
大事な行事に団結し、残るのは空っぽになった家だけです。
だれもその頃、泥棒の心配なんてしてませんでした。
(まだ白人なんてやって来てないころの話です。)

その頃、隣村のアホヤから、すっからかんになったこの村に、
旅人が一人やってきました。彼は村がこういうことになっている
理由を知っていましたので、一人の友人にも会えないことも
先刻承知でした。

彼は、ここで夜を過ごして、翌朝出かけようと決めました。
誰の家にも入らずに、彼は、粉を貯めておく大きな籠を取り、
それをひっくり返しましてその下に這い込みました。

(山から集めたドングリは、石臼で挽いてパンにするので、
大きな籠はどこの家にもあります。)

そこに入っていれば、いやな風にも当たりません。
そんなわけで、彼は眠り込んでしまいました。

夜更け前、もうとっぷりと暗闇にあたりが覆われたころ、
彼は人々を踊りに呼び出している声で目を覚ましました。

最初、彼はカワクの人たちが
ドングリ集会から戻ったのだろうと思いました。

しかし、年取った彼は、もう長いこと前に死んでしまった、
知人たちの声に気が付きました。
その声は、死者の霊だったのです。

カワクの人たちは遠く離れていましたが、
死者たちは戻って来て、踊り始めたのです。

老人は籠の中に静かに横になって、
すべての人たちの声に耳を傾けました。

過ぎ去った日々の思い出が蘇ってきました。

かつて知った女性が岩の中から、
彼女の歌とともに帰ってきました。

かつて知った男性が岩を手でえぐって、
歌いながら出てきたのを聞きました。

この村にもう一度、大昔のすべての
人たちが戻ってきました。

老人は、もうじっとしていられませんでした。
何時間もこれを聴いていた後では、
彼は若いころに知っていた人たちや、
古い話でしか聞いたことのなかった人たちの
顔を見たくて仕方がなくなったのです。

彼は籠を払いのけ、死者たちが踊っているところを見ました。

しかしそこには、鳥の群れしかありませんでした。
そして、籠のひっくり返る音に驚いて、彼らは一斉に
飛び立ちました。

彼らのいたあとには、死者たちが夜通し鳴らしていた
亀甲のガラガラがひとつ、残されていました。

いま、それがあった場所には一輪、カスミ草が生えています。
老人は死者の踊りを見ることはできませんでした。
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by perriere | 2009-07-09 00:34 | インディアンの神話

死者の踊り ルイセノ族の伝説


マイケルさんは「スリラー」公演の準備中だったとか。
あの世の住人が大勢で踊るビデオは今見ても新鮮ですね。

キリスト教だとか仏教だとかが影響してきますと、
故人というものがとかくはかないものになりまして、
青白い顔で恨み事など並べ立てて
辛気臭いものになってしまうわけですが、
こちらではとても楽しいお化けのダンスになっていて、
なかなか面白いものになっています。

アメリカインディアンのルイセノ族の伝説にも、
幽霊が踊る有名なお話がありますので、
ここで紹介してみようと思います。

カリフォルニアの山間のインディアンたちは、
年に一度村総出でドングリの採集に出掛け、
村はその間空っぽになっていました。

ルイセノ族もそういう伝統を持っている部族です。
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by perriere | 2009-07-08 23:56 | インディアンの神話

四つの風は、どう名づけられたか・2 イロコイ連邦の神話


それから、ガオーはそよ風を送り出し、彼の小屋の
東の扉を開かせて、生きものたちへ呼びかけた。

すすり泣きとうめき声が起き、空は氷雨の中に震え、
大地は灰色の霧に包まれた。

やがて大角が森の木々をへし折るパキパキいう音とともに、
偉大なオヤンドネ(ヘラジカ)が現れ、
ガオーの東の扉で、蹄を踏み鳴らしながら立っていた。

「おお、ヘラジカよ。」

ガオーは言った。

「そなたの息は灰色の霧となって吹きつけ、
地上に冷たい雨をもたらす。

そなたの角はあまねく広がり、森の木々を押しのけ、
余の嵐の通り道を開ける。
そなたはその速き蹄で風と競い合う。

汝は東風となり汝がねぐらへ入るがよい。」

すると、すぐさまヘラジカは首を傾け、
ガオーは革紐でそれを繋いで東の空に置いた。

それでも、ガオーは満足しなかった。
なぜならまだ扉がひとつ開いていたからだ。

彼はあまねく南に甘い音楽のような穏やかな調子で、
生きものたちへ呼びかけた。

なだめるようなそよ風が、
1000本の甘い花の香り、やわらかな小川のさざめき、
夏の秘密をさえずる鳥の声を連れて、
小屋を通って忍び込んできた。

そして、茶色い目をしたネオガ(子鹿)が走り来て、
優美に彼女の足を上げ、
ガオーの南の扉でおどおどと待っていた。

「おお、穏やかなる子鹿よ」

ガオーは言った。

「そなたは真夏の太陽とともに歩き、
その最も美しい行路を知っている。

そなたは日光のように優しく、霧と香りを食す。
そなたは余の群れ、夏のそよ風たちを、
平和と喜びで支配する。

汝は南風となり汝がねぐらへ入るがよい。」

すると、すぐさま子鹿は首を傾け、
ガオーは革紐でそれを繋いで南の空に置いた。


そして今、年取ったイロコイのお祖母さんは、
北風が強く吹くとき、「熊が空をうろついてるよ」と言います。

そして西風が小屋の扉の周りで怒鳴るなら、
彼女は「豹がうなってるね」と言います。

東風が霧と雨で小屋を冷やすなら、彼女はこう言います。
「ヘラジカが息をまき散らしてるね」

けれども南風が彼女の頬を撫で、小屋を通って
やわらかい声と甘い香りを漂わせるとき、
彼女は「小鹿がおっかさんのところへ帰ったね」と
微笑んで言うでしょう。
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by perriere | 2009-02-20 00:24 | インディアンの神話

四つの風は、どう名づけられたか・1 イロコイ連邦の神話


ガオーは西の空からやかましい突風を送って、
彼に力を貸すよう地上の生き物たちへ呼びかけた。

この呼び出しが終わり、雷鳴が次第に消えたころに、
ガオーは彼の小屋の、空を覆う北の扉を開けた。

すぐに濃い雪が降り始め、猛烈な風が周りで暴れ回った。
そして見よ!
木々をなぎ倒し、巨大なヤオガー(熊)が現れた。

「おお、熊よ。そなたは強い。」

ガオーは言った。

「そなたの冷たき息は、水の流れを凍てつかせる。
そなたの太き腕は激しき大嵐をもたらし、
余が破壊を命ずれば、そなたはあまねく大地を握るであろう。

ゆえにそなたは北に住み、余の統べる冬風の群を、
余が地上に放つとき、その見張りをいたせ。

汝は北風となり、汝がねぐらへ入るがよい。」

すると、すぐさま熊は首を傾け、
ガオーは革紐でそれを繋いで北の空に置いた。

次にガオーは、すごい突風を起こして西の扉を開け、
生き物たちへ呼びかけた。

雲は空を覆い始め、いやな闇が世界を満たした。
奇妙な声が悲鳴を上げて、小屋の周りで怒鳴り散らし、
ものすごい騒音が爪のように天空を引き裂いて、
ダジョジ(豹)が西の扉に飛び込んできた。

「おお、豹よ。そなたは猛々しくも烈しい。」

ガオーは言った。

「そなたは森を引き剥がし、その強き背は旋風をもたらす。
そなたは海から空中高く波どもを巻き上げ、
彼らが余の扉よりはぐれれば嵐となって怒鳴りつける。

汝は西風となり汝がねぐらへ入るがよい。」

すると、すぐさま豹は首を傾け、
ガオーは革紐でそれを繋いで西の空に置いた。
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by perriere | 2009-02-20 00:12 | インディアンの神話

四つの風はどう名づけられたか


冷たい風が吹いて、寒い日が続きます。
今日は夕方から雨でした。
なんだか鼻風邪気味です。

アメリカのニューヨーク州には、「イロコイ連邦」という
6つのインディアン部族の連合国家がありまして、
アメリカ合衆国憲法は、ここの「イロコイ憲法」の
パクリだということでも有名です。
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イロコイ的に言うと、こういうお天気というのは、
「熊とヘラジカが暴れてる」ってことだそうです。

東西南北、四方の風の名前の由来を紹介してみましょう。

年取ったイロコイ族のお祖母さんは、この世界が出来た頃、
西の空にガオーという強力な風の神が住んでいたと言います。

この神様というのが大変な荒ぶる神でして、天空を気ままに
吹き抜け、世界をばらばらにしたといいます。

日本の風神さんみたいなものですかね。

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イロコイ族の伝統家屋というものは(↑)のような、
細長い木造家屋で、「ロングハウス」と呼ばれています。

ガオーの住む小屋というのも、四方に扉の開いた、
こういうロングハウスでしょう。
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by perriere | 2009-02-20 00:01 | インディアンの神話